◆ 「寄付財産の受入れ決議」と「基金への組入れ決議」の2つが必要です。いずれの理事会議事録も、後のみなし譲渡所得の非課税申請に使用するため、適切に作成・保管することが重要です。
有価証券等の現物資産の寄付を受け入れるにあたっては、受贈法人(以下、「法人」)内で2つの決議を行う必要があります。一つ目は「寄付財産の受入れ決議」、二つ目は「寄付財産の基金への組入れ決議」です。いずれの決議も理事会等の意思決定機関で行います。
まず、寄付財産を受け入れることを法人内で決議します(寄付財産の受入れ決議)。この決議は、寄付者が所轄税務署にみなし譲渡所得の非課税申請を行う際に、申請書の添付書類として理事会議事録の提出が求められるため、申請手続きの起点となる重要な決議です。なお、この「寄付の日」は寄付財産の譲渡が実際に行われた日ではなく、本決議で受入れを決議した日とされる点に注意が必要です。
次に、受け入れた寄付財産を基金に組み入れて管理することを決議します(寄付財産の基金への組入れ決議)。みなし譲渡所得の非課税申請を行うためには、寄付財産が適切に基金に組み入れられていることが必要です。この決議の理事会議事録も、非課税申請書への添付書類として提出します。
以上のとおり、2つの理事会決議の議事録は、いずれも寄付者が所轄税務署に提出するみなし譲渡所得の非課税申請書の添付書類となります。決議内容を正確に記録した議事録を適切に作成・保管することが、その後の手続きをスムーズに進めるうえで不可欠です。
なお、寄付される有価証券は、証券会社に法人口座を開設して受け入れます。この際、寄付される株が保管されている証券会社と同じ証券会社でなければならないケースがあります。口座開設には口座開設申込書を証券会社に提出します。口座開設時には代表者印の押印が必要となるほか、代表者(理事長)の本人確認書類、法人の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の提出を求められる場合があります。口座開設後は、有価証券受入れ指示書等を用いて寄付財産を法人口座に受け入れます。なお、法人口座の開設には一定の時間を要する場合があるため、寄付受入れのスケジュールを踏まえて早めに手続きを進めることが望ましいです。
<有価証券寄付受入れの法人内決議>
1. 寄付財産の受入れ決議
(必要書類:理事会議案書)
2. 寄付財産の基金への組入れ決議
(必要書類:理事会議案書)
3. 証券会社に法人口座を開設する
(必要書類:口座開設申込書)
・代表者印の押印が必要
・代表者(理事長)の本人確認書類が必要な場合がある
4. 寄付された有価証券を法人口座に受け入れる
(必要書類:有価証券受入れ指示書)
※ 1,2の理事会議事録は、みなし譲渡所得の非課税申請書に添付して
寄付者の所轄税務署に提出する。
【参照】内閣府「公益社団法人・公益財団法人に対する個人からの現物資産寄附のみなし譲渡所得税非課税承認 ~証明申請等の手引き~」
https://www.koeki-info.go.jp/activities/documents/k7nfz1wlsa.pdf