遺贈寄付の知識

みなし譲渡所得の非課税措置を受けるための承認申請はどのように行いますか?

◆ 寄付者が所轄の税務署に承認申請書を提出します。提出期限は「寄付の日」から4か月以内です。ここでいう「寄付の日」は、実際に有価証券が移転した日ではなく、受贈法人が寄付財産の受入れを決議した日である点に注意が必要です。

 有価証券等の現物資産を公益法人等に寄付した場合、その現物資産に含み益があれば、原則としてみなし譲渡所得税が寄付者に課税されます。しかし、受贈法人(以下、「法人」)が公益社団・財団法人等の一定の要件を満たす法人であり、かつ寄付財産を公益目的事業の用に直接供するなどの条件を充たせば、租税特別措置法第40条に基づく承認を得ることで、このみなし譲渡所得税が非課税となります(承認特例)。この承認を受けるための手続きが、「みなし譲渡所得の非課税申請」です。
 申請を行うのは寄付者本人です(遺贈の場合は、遺贈をした人の相続人および包括受遺者が申請者となります)。申請書の提出先は、寄付者の所得税の納税地を所轄する税務署です。提出期限は「寄付の日」から4か月以内とされています。ただし、その期間が経過する前に寄付をした年分の所得税の確定申告書の提出期限が到来する場合は、その確定申告書の提出期限までに申請する必要があります。承認申請書は作成書類・添付書類が多く、専門性も要求されるので、作成は税理士に依頼したほうがよいでしょう。
 申請に必要な書類は次のとおりです。承認申請書一式のほか、理事会議事録(寄付財産の受入れ決議および基金への組入れ決議)、行政庁が発行した基金証明書、公益認定書・登記簿謄本・定款、寄付申込書および寄付時の取得価額がわかる書類、寄付財産の譲渡を証明する書類が必要です。承認申請書及び添付書類は、それぞれ3部提出する必要があります。法人は、申請に必要な書類の準備について寄付者をサポートする体制を整えておくことが望ましいです。
承認申請の場合、承認申請書の提出があった日から3か月以内に非課税承認をしないことの決定がなかったときは、その申請について非課税承認があったものとみなされます(自動承認)。
申請手続きが完了した後にもやらなければならないことがあります。寄付者は、法人における寄付の日の属する事業年度終了の日から3か月以内に、事業年度末の基金明細書と決算書を、納税地を所轄する税務署に提出する必要があります。法人はこの書類の寄付者への提供も必要です。
 なお、申請における「寄付の日」とは、実際に有価証券が寄付者の証券口座から法人口座へ移転した日ではなく、法人の理事会等が寄付財産の受入れを決議した日とされています。提出期限の起算点となる日付であるため、受入れ決議の日付を正確に把握しておくことが重要です。

<みなし譲渡所得の非課税申請の概要>

〔申請者〕 寄付者
      (遺贈の場合:遺贈をした人の相続人および包括受遺者)
〔提出先〕 寄付者の所得税の納税地を所轄する税務署
〔提出期限〕寄付の日から4か月以内
      (確定申告書の提出期限が先に到来する場合はその期限まで)

〔必要書類〕
 ・承認申請書一式
 ・理事会議事録(寄付財産の受入れ決議、基金への組入れ決議)
 ・基金証明書(行政庁発行)
 ・公益認定書、登記簿謄本、定款
 ・寄付申込書、寄付時の取得価額がわかる書類
 ・寄付財産の譲渡を証明する書類

※「寄付の日」は、寄付財産の受入れを決議した日(実際の寄付財産譲渡日ではない)

【参照】【国税庁】公益法人等に財産を寄附した場合における「租税特別措置法第40条の規定による承認申請書」の記載のしかた

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/joto-sanrin/7402/01.htm

【参照】租税特別措置法施行令第25条の17第1項関係の通達5

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/joto-sanrin/080801/02.htm

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